男が育休を取ったら気づけたこと

男が育休を取ったら気づけた育児の楽しさ・苦労・コツを感ずるままに書き綴ります。


高齢者蔑視をするつもりはない。社会保障も理解する。でもその税の使い方は絶対に間違っている💢

結局、認証保育園にも入れず…

前回記事「結局、認証保育園にも入れず…(T ^ T)」では、はてなブックマーク等で、多数の方から、共感や励ましのコメントをいただきました。本当に嬉しく思っております…

 

 

その中で一点気になるコメントがあったので、今回はご紹介させていただきます。それがこちら…⬇️

 

結局、認証保育園にも入れず…(T ^ T) - 男が育休を取ったら気づけたこと

ここでお年寄り向け予算を切り詰めたら、結局泣くのは十年後の私たちだと思うわ。お年寄り予算を減らした分が子育て支援に回る保証はない。(増えたとしても多分子供へのばら蒔きって批判するのは10年後の私達)

2016/03/02 06:14

 

これは、私の記事が、高齢者へ助成金を出すのであれば、そのお金を使って保育園を立てられないかと提起したことに対してのコメントとお見受けいたします。一見すると、正論のようにも見受けられましたが、よくよく考えるとやはり私の考えと異なっているように思えましたので、これを機に言及いたします…

※ いただいたコメントに対しての非難ではけしてありません。
※ 私の表現が誤解を与えるような言葉足らずだったと反省しての言及です。

 

自分の将来は自分で生計しなければならない⁉︎

私の意見を述べると、10年後はまだしももっと先のことを考えると、今回高齢者に支給されるような助成は受けられないと考えています。これを一切期待はしていけないと思う。このことは、年金問題、年々増え続ける社会保険料、退職金制度の崩壊から言っても、年齢構成上あり得ないことであって、もし自分たちが今と同等の社会保障を受けられると期待しているのであれば、それは辞めた方がいいとも思うのです。今は、昔のように年功序列・終身雇用でもなく、自身の将来は自分で生計しなければならず、今の高齢者のように会社や国が守ってくれるものではないと思うのです…

 

一つ一つ、詳しく触れていきます。

 

厚生年金

下記表は、某テレビ番組で紹介された学習院大学の鈴木教授が試算した「厚生年金世帯別損得計算」です。平均年齢まで厚生年金を受け取った際に、納めた年金額に対して、どれだけ戻ってくるかを表したものです。

 

<厚生年金の世代別損得計算>

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ご覧いただくと、1955年生まれを境に、若年層は払った分の年金額を受け取れないということがお分かり頂けると思います。すでに崩壊している年金制度に対し、現状高齢者への支給を止めるわけにもいかず、その補填は、徐々に料率を上げ、若年層から巻き上げているのです。⬇️

 

<厚生年金保険料率の推移>

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出所)年金財政ホームページ

 

健康保険料

続いて健康保険料についてです。こちらも当然高齢化が進めば年々上がります。なんせ、全国の各健康保険組合のうち約8割は赤字収支であり、全体では平成20年から毎年約3000〜5000億円の経常赤字の状態なのですから…

 

<一人あたりの年間保険料の推移>

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出所)健康保険組合連合会の組織状況と収支について

 

健康保険組合の経常収支状況>

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出所)健康保険組合連合会の組織状況と収支について

 

これらは一例ではあるのですが、前記事「結局、認証保育園にも入れず…(T ^ T)」でも触れたとおり、これから益々高齢化が進むと、今の若年層は高齢者を養い続け、自身にはなんの見返りもないということが必然であり、期待すること自体が夢物語な訳です。

 

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サラリーマンの収入

では、社会保険料負担の高騰に対して、収入が増えているかというと、そうではありません。むしろ年々収入自体も減っているというのが実情です。

 

<サラリーマンの平均年収の推移>

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出所)サラリーマン平均年収の推移(平成26年)-年収ラボ

 

これを紐解くと、終身雇用・年功序列を典型とする日本型経営が崩壊し、より契約的な雇用形態に変わらざるを得ず、リストラ・非正規雇用の増大などが影響しているものと考えられます。※けして日本型経営を推奨するものでもありませんが…

 

退職金

こちらについては、あまりいいデータはなかったものの、実感値として確実に下がっていくものと思われます。それは上記のとおり、

  • リストラ等による勤続年数の低下
  • 退職金がない非正規雇用の増大
  • 退職金制度を廃止し、前払い(401K等)制度への移行が主流
    →これ自体は企業運用ではなく自己運用への転換なので、金額が減ると断言できません。
    →ですが、退職金を給与扱いに転換しても平均年収自体が減っているという事実も見えてきます。

などからも、容易に推察されます。

 

<退職金受給額の推移>

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出所)退職金〜データから退職金額の推移をまとめました〜

 

<DC制度(退職金の前払い)の普及状況>

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出所)第1回「これでわかる! 確定拠出年金の仕組みとメリット」前編 - 投資信託協会

 

物価

収入が減っていれば、物価も下がっているのではとも思いがちですが、けしてそうではありません。今の高齢者の時代から考えると、物価は当然バブル高騰期に飛躍的に物価は上がり、ここ20年はデフレと言われつつも、横ばいを辿っているというのが現状なのです。※これは経済成長率もここ20年横ばいなので当然でしょう…むしろインフレの方が健全と言えます。

 

消費者物価指数推移>

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出所)過去60年余にわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新) - ガベージニュース

 

まとめ

つらつらと書きましたが、何が言いたいかというと…、労働人口(若年層)が非労働人口(高齢者層)を養うという社会保障の考え方は当然ながら、理解しています。別に、高齢者蔑視をするつもりも更々ありません。

 

ですが、今の若年層を見ていると、

  • 収入は下がりつつある現代、物価や社会保険料は上がっているわけで、
  • それでも、時代恩恵を受け、比較し富ある高齢者層を養わなければならない。

という、 状況はおかしいと思うわけです…

 

こんな状況下において、自身が非労働人口になった時に、会社や国が保障してくれるなんて、全く期待していません。むしろ自身でお金を創る準備すらしなければならないとも思っています。(別ブログ「20代から10年で5,000万円貯めるには⁉️① 〜心構え〜」を参照) これは、高齢者も同じことが言えるわけで、今の若年層に比べたら、お金持ってんだから、これ以上の助成金のような国の保障は要らないでしょ💢と言いたいわけです。それよりも、社会保障を理解するからこそ、このあり方を改善するには、労働人口比率を増やすしかなく、

  • 平均寿命が延びているのであれば、保障受給対象をもっとより高齢にすべき
  • 働きながら子どもを育てる上で、一番の問題である保育所に税金を投下すべき

であると、考えるのです。そうしないと、女性労働力は減り(=労働人口は減り)、子どもを産まない(=さらなる少子化になる)という末路が、待っているわけですから…💢

 

再度言いますが、労働人口(若年層)が非労働人口(高齢者層)を養うという社会保障の考え方は当然ながら、理解しています。高齢者蔑視をするつもりもありません。この点において、前記事では誤解を与える記述となっていると思え、そうではないことを伝えたく、記述させていただきます…

 

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<掲載ブログ> 

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<推薦図書>

年金破綻、かさむ高齢者医療費、就職できない若者。少子高齢化の進む今、生まれた年によって受益と負担の格差が出てしまう「世代間格差」は、日本の現状と先行きを考えるうえでは避けて通れない問題である。なぜ世代間格差が生まれてしまうのか。格差はいかに解消すべきか。本書は経済学的見地から世代間格差を考察し、実行可能な処方箋を提示する。社会保障・日本型雇用・少子化対策などの問題点を多角的に検証し、新たな経済社会システムの構想を鮮やかに描き出す。

書籍名:世代間格差: 人口減少社会を問いなおす (ちくま新書) 
著者名:加藤 久和