長時間労働が常態化した理由…
前述記事「36年連続で子ども減少 前年比で増加は東京だけ…」では、少子化に至る原因として「未婚率の上昇」を挙げ、複合的にはなるものの、その施策として「長時間労働を法規制により厳罰化する…」ことを掲げた。このことは、世の中の情勢としても、電通の過労自殺問題を皮切りに、36協定の見直しなど、現在の労働法制においては、同一労働同一賃金と並んで一番のホットトピックであろう…
私も記事「労働時間規制法制化に見る日本の問題点…」で触れたが、これは日本の労働法制が既得権益を不利益に変更することを認めず、若年層が年配層を養う為に、福利厚生や人件費そのものを必要最低限に絞られ、成果主義(私自身、成果主義そのものは正しい考えだと思うが…)という名の下、報酬が上がらない仕組みに組み込まれ、残業をしないと生活が出来ない水準まで引き下げられた結果、労使において長時間労働が暗黙の了解という雰囲気を生み出したと考えている…
長時間労働を是正するだけでは、結婚しない…
長時間労働を前提にすると、当然ながら余暇の時間は少なくとも減るわけで、男女の出会いは可能性としては減り、むしろ職場に限られてくると言った方がいいかもしれない。出会いだけではなく、生活するのにやっとな報酬水準では、結婚や、ましては出産などは、考えられないもしくは夢の話となっているのが、現実であろう…
下記は、平均的にかかる生活費のデータだが、平均賃金が300万円〜400万円と言われる時代においても、やはりデフレには至らず、ヤマト運輸や佐川急便が値上げを断行したように、様々な商品、サービスが今後労働力不足を理由に、生活費も高騰するであろう。そうでなくとも、社会保険・税金は高齢化が進むに比例し、負担が大きくなることが目に見えている…
●世帯平均収入推移
●世帯平均支出推移
何が言いたいかというと、長時間労働を前提にした報酬は、残業を生活費として見込んでいるのであって、長時間労働を法規制により厳罰化し認めない取り組みと同時に、報酬を維持もしくは高騰…つまりはインフレ化を同時並行でで取り組まないと、事は進まないのだ…
詳細は次回記事「所得水準を上げ、インフレを起こす…」で述べたいと思う…
続く…
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