専業主婦の労働価値はいくらか?
家事や育児をビジネスにあてはめ、物事を考えると見えてくる視点がある。タイトルの「専業主婦の労働価値はいくらなのか?」については、よく経済学者などが、年収700万円に相当するとの見解を出しているのを目にするが、平均年収が300〜400万円といわれる今の日本において、年収700万円といえば高給取りの部類に属するが、はたしてそこまでだろうか?私の日常に照らして、簡単に計算してみた…
(労働時間)
特筆すべきは、労働時間の長さである。私に当てはめると、朝6時に起き食事の準備から、夜22時に食器を洗い明日の朝食の準備まで、概ね1日16時間は働いている…。自分の食事や息子が昼寝をしている間の休憩を仮に2時間差し引いても、1日14時間は働いている計算だ。これは明らかに荷重労働であり、労働基準法や36協定違反な労働時間だ。しかも、基本的には休日がない…。会社でいうと、土曜日・祝日などの休日出勤、日曜日の法定休日出勤を繰り返しているという、非常にブラックな状態が続いているとも言えるのだ。
※ 土日祝日が休日の会社を想定。
※ 法定休日とは、1週1日もしくは4週4日の休日を与えることが、労働基準法で定められている。
(労働単価)
1時間あたりの労働単価は、家事代行サービスが参考になる。家事代行サービスとは、その名の通り、掃除や洗濯などの家事を代行してくれるサービスのことであり、よく2時間10,000円くらいで、サービス提供してくれる。実際は、時給5,000円とはいかず、家事代行サービスを従事するスタッフの時給は、見習いで1,000円くらいから、ベテランでも2,000円くらいまでである。主婦の方々は、自身がやっている家事の単価が1,000円だと思われるのは癪にさわるかもしれないが、専門会社で家事の特殊な研修・訓練をしたスタッフでさえ、その程度なのである。これは受給のバランスの上成り立っているため、お許しいただきたい。
(労働価値)
上記、労働時間×労働単価にて、労働価値=年収を求めることにする。労働単価は中心をとり、時間単価1,500円とし計算することとし、シンプルな掛け算ではなく、上記の通り労働時間は非常に長いことから、労働基準法に定められている最低限の割増率等を乗じ、計算する。
※ 時間外単価 =労働単価×1.25(1日8時間もしくは週40時間を超える労働数に適用)
※ 休日単価 =労働単価×1.25(土曜日・祝日で1日8時間の労働数に適用)
※ 休日時間外単価 =労働単価×1.50(土曜日・祝日で、1日8時間を超える労働数に適用)
※ 法定休日単価 =労働単価×1.35(法定休日=日曜日で1日8時間の労働数に適用)
※ 法定休日時間外単価 =労働単価×1.60(法定休日=日曜日で1日8時間を超える労働数に適用)
計算すると、
- 時間内の労働:月20日×1日8時間×@1,500円 =240,000円
- 時間外の労働:月20日×1日6時間×@1,500円×1.25 =225,000円
- 休日の労働:月5日×1日8時間×@1,500円×1.25 =75,000円
- 休日の時間外労働:月5日×6時間×@1,500円×1.50 =67,500円
- 法定休日の労働:月5日×1日8時間×@1,500円×1.35 =81,000円
- 法定休日の時間外労働:月5日×1日6時間×@1,500円×1.60 =72,000円
〆て月合計が760,500円となり、これは×12ヶ月すると年収は9,126,000円となります。(見習い@1,000円でも年収6,084,000円、ベテラン@2,000円だと年収12,168,000円となります。)
それ以下の報酬しか得ていない男性の皆さんは、家事を尊重しましょう…。そして奥さんを労いましょう…(ー ー;)
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