高畑淳子の謝罪会見…
俳優・高畑裕太による強姦致傷について、実親である女優・高畑淳子の謝罪会見が物議となっている。成人である息子の罪に対し、親がどこまで責任をもつのかというのが論点だ。これには、多くの著名人も意見し、改めて「親」や「教育」の難しさが浮き彫りにされる。いくつか紹介していきたい…
尾木直樹(教育評論家)の意見
教育評論家の尾木直樹さんは自身のブログの中で、以下のように全面支持の内容を綴る…
「あんなに心からの 演出も何もない誠実な謝罪会見 見たことがありません...本当に素晴らしいお人柄 素晴らしい女優さんそして、愛情深い素敵なお母さんなんだなぁ...となかば感動すら覚えました...」
真矢ミキ(女優)の意見
女優の真矢ミキさんも情報番組「白熱ライブ ビビッド」(TBS系)の生放送で、と高畑さんの説明を評価した…
「母として、女優として、加害者の親として、誠実に向かわれているのが分かった」
諸澤英道(世界被害者学会理事)の意見
情報番組「ひるおび!」(TBS系)に出演した世界被害者学会理事の諸澤英道氏は、被害者の心情をおもんぱかるべきだとして残念がる…
「『息子が刑務所から戻ってくるまで一切仕事止めます』と思い詰めるほどだったら、会見を開く意味があった。息子に対するメッセージという意味はあったが、被害者や周辺の人が見たら非常に不愉快な記者会見だったと思う」
江川紹子(ジャーナリスト)の意見
情報番組「バイキング」(フジテレビ系)では、ジャーナリストの江川紹子氏も同様に被害者の心情に配慮すべきと意見した…
「被害者の方からすると、こうやって大きく扱われたり、色んなイベントがあったりすること自体、実はつらいんじゃないかなって思います」
中川淳一郎(ネットニュース編集者)
ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、謝罪会見の開催自体を疑問視した…
「なんでこの人達が謝罪しなくちゃいけないのかと思うものがありますが、結局これって日本の中に蔓延する『謝罪をしなくてはいけない空気』ってものに従った結果なのですよ。本来、愚行を犯した者が謝罪をすればいいし、迷惑をかけた人間にだけ謝罪をすればいい」
野村修也(中央大学法科大学院教授)の意見
「news every」(日本テレビ系)に出演した中央大学法科大学院の野村修也教授は、親の責任範囲や限界について言及する…
「親の責任の重さを痛感するが、親にできることの限界もあると思う。成人が犯した罪なので、本人の罪と親の責任は切り分けて考える必要がある」
宮崎哲弥(評論家)の意見
評論家の宮崎哲弥氏は、「ひるおび!」(TBS系)の中でで、高畑淳子さんの「親の責任」について、以下のように語る…
「過去にも大女優のご子息が薬物事件を起こしたり、大物司会者のご子息が窃盗事件を起こしたりした。それをふまえてどう考えるかになるが、この事件自体が今までになく重大で、凶悪な事件だということが前提にならなければならない」
水谷修(教育評論家)
"夜回り先生"こと水谷修氏は「白熱ライブ ビビット」(TBS系)で、「親の責任」について、「関係ない」との考えを示した…
「未成年に関しては親は監督責任があるので、すべての責任をとらないといけない。責任をとるのは当たり前。20歳を過ぎたら1人の人間だから、なんで責任をとらないといけないの? 関係ないんじゃないか?親としての『謝りたい』という気持ちはわかるけど、社会人としての責任は…。社会人としては別の人格なので、それを責めるというのは根本的に間違え…」
私の意見はというと…
ふまえて、私自身の意見はというと…親は子どもがいくつになろうと親であり、
- 子どもの人格に影響を一番与える存在であること、
- 子どもの人格形成に影響を与えることについて、管理監督する責務があること、
- そして、起こしてしまった事象についての責任・責務を負うこと、
全てを含めて、全面的に親にも責任があると考える。
私にももうすぐ2歳になる息子がいる。一親として、自分の息子がもし同じことをしたとすれば、そういう気持ちになるはずだ。少なくとも、「成人したから無責任です」なんて気持ちには絶対にならない…。と考えると、高畑淳子の親の責任については、大変共感するし、賛同する…
一方、評論家達がぶつくさ言っている責任の取り方について、適切な手段が様々あると思うが、利害関係者が納得できるかが、重要であろう。これはその手段だけではなく、コミュニケーションやプロセスやタイミングなど様々な要素が起因し、被害者がどのように納得されるかは、あの記者会見だけで推し量れるものではない。
要は、被害者しか解り得ない感情であり、その手段や発言について、他人がとやかく言う問題ではないのだ…
私はそう思う…
<推薦図書>
自らは病気の自覚のない、精神を病んだ人を説得して医療につなげてきた著者の許には万策尽きて疲れ果てた親がやってくる。過度の教育圧力に潰れたエリートの息子、酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いしてゴミに埋もれて生活する娘……。究極の育児・教育の失敗ともいえる事例から見えてくることを分析し、その対策を検討する。現代人必読、衝撃のノンフィクション。
書籍名:「子供を殺してください」という親たち (新潮文庫)
著者名:押川 剛